今回、ベーシックインカムを支給している株式会社イゾンのお二人に起業の経緯や現在の取り組みについてお聞きしました。
株式会社イゾンでは、ゴーストレストラン事業を行っています。全国のシェフからメニューを提供頂き、UberEATSなどのフードデリバリーサービスを用いて料理の販売を行っています。2020年7月から当社と事業モデルの検討を行っており、同年12月にプレオープンいたしました。上の写真はオープン時のものです。
Q.いまの事業をやろうと思ったきっかけはなんですか?
A.飲食業界には「独立」したいが出来ていない方がたくさんいます。
理由として、
・資金の工面ができない
・美味しい料理を作ったとしても、「誰が作ったか」は一般の人にめったに伝わらないため、
実績とならない
ことがあげられます。
また、コロナが発生したことにより、飲食業界の景気が悪くなり、さらに独立出来る環境で
なくなったと考えています。
そこで、シェフの料理を世の中に伝える取組として、全国のシェフからメニューの
提供を頂き、フードデリバリーサービスを利用してお客様に料理を届ける
「ゴーストレストラン事業」に目をつけました。
ゴーストレストラン事業にシェフが関わることで、
・メニュー提供するだけで、売上をあげることができるため、資金面の課題を解決できる
・シェフの名前を前面に押し出すことになるため、実績作りになる
のメリットを享受することが可能となります。
この事業を通して、「シェフの独立」を支援したいと考えています!
Q.事業をやっていてよかったと思うことは何ですか?
A.「自分の力で誰かを助けている」と実感できることです。ゴーストレストランはシェフから
メニューを提供頂き、売上の一部が配分される仕組みになっています。独立を目指すシェフの力になれているということが大きな充実感につながっています。
また、「自己成長を感じられる」ことも良い点です。お客様に感動してもらうためには何を
しなければならないか / 今やっている施策が本当にお客様のためになっているかを常に考える
ようになりました。
※空いている時間のほとんどを、「事業」に使っています。
Q.2人で事業を立ち上げしてよかったことは何ですか?
A.2人だと事業の壁打ち相手が常にいることになるので、とても助かっています。1人で考えていても前に進まないことでも、2人で「こうすすべきだ!ああすべきだ!」とディスカッションしているうちに、方向性が見えてきます。
また、事業はうまくいかないことの方が多いため、不安になることが多々あります。「オープン準備は期日通りに終わるのか?」「オープンしたとしてお客様は来てくれるのか?」等、常に不安な気持ちになります。ただ、2人でいると「そんなこと考えていても仕方がない!」と前向きな気持ちになれ、困難を楽しむことが出来るようになりました。その結果、無事オープンまでたどり着きました。
Q.事業をやってきた中で、一番大変だと感じたことは何ですか?
A. 事業計画書作成時に、
・売上目標をたて
・売上目標を達成するためのKPIを設定し
・KPIを達成するためのアクション量を定義し
・日々、アクションの見直し
を行ってきましたが、予定していた売上目標と実績には大きな乖離があります。新規事業で売上をあげることの難しさを実感しています。お客様はビラを配れば来てくれる!くらいに軽く考えていたのですが、今では「1人1人のお客様を大切にする」という地道なところが最も重要であるとひしひしと感じています。
Q.Arinosの事業の伴走支援について感想を聞かせてください
A.事業計画面でのサポートがとても助かっています。進め方の整理、やるべきことの洗い出しなど実務ベースで一緒に課題解決をしていただいていることで、事業がより早く前に進められていると思います。また、緊張感をもって事業運営に取り組めることも良かった点の一つです。
また、事業を複数立ち上げている経験から、他の起業家の方がすでに躓いている点について、伝えて頂けることもとても心強く思っています。資金調達の時に大事にするポイントや、キャッシュフロー表を用いた資金ショートリスクの軽減など、サポートがなければ気づいていなかったことが多かったです。
Q.ベーシックインカム支給をしてからの変化はありますか?
A.毎月生活サポートを頂いていることで、本来バイトなどに割かなければならない時間を工面することができ、気持ち的にもとても助けられています。また、支給を受けていることで、もっと頑張らないといけないという気持ちも生まれました。
今回印象的だったのは、立ち上げ時に壁にぶつかっても2人で助け合いながら前に進めていることで した。困難も楽しむ姿勢があるからこそ、ここまで事業が形になっていると思います。今後の2人とても楽しみですね!