■概要
2019年7月15日、台湾から日本各地の農業を視察にきている松山高級工農職学校の学生20名に向けて現在川根本町で行なっている地方創生の取り組みをプレゼンしてきました。今回の日本での視察は台北市の補助事業で日本の先進的な農業技術を学ぶことを目的に、学内でも成績の優秀である学生が選抜され来日していました。
全日程10日間で、静岡県川根本町以外にも、
・静岡県内の別の地域、青森県で栽培/加工の現場を視察(りんご・メロン・お茶等)
・東京農業大学にて講義を受ける
とのこと。川根本町には3日間滞在し、農家民宿に宿泊しながら、お茶・柚子の畑の視察、観光地を回るというプログラムを行っておりました。
■地域創生における魅力的な事業を創出することの意味
僭越ながら、現地に根付き「地方創生をテーマとして、事業展開している企業」として登壇し、
① 日本の地域が抱えている課題
② 地域課題を解決する施策としての「事業創出の必要性」について、
お話させて頂きました。
少子高齢化、後継者不足、空き家問題などの、日本の地域が抱える課題の根源にある「人口減少」を引き起こしている原因は、「魅力的な事業の欠如」であり働きたいと思える場所を作ることがいかに大切かを川根本町のお茶の相場の下落と人口減少の事例を踏まえて説明させて頂きました。
また、「魅力的な事業の重要性」を語る上で、我々の考える「魅力的な事業」の定義は、
① 生活する上で充分な給料を受け取れる
② 仕事内容に誇りを持てる
③ 自分の時間を確保できる
であることもお伝えさせて頂きました。
■今後の台湾の農業が目指す「量」より「質」
学生の皆さんとディスカッションをしましたが、台湾も日本と同様に、近代化が進むにつれ台北などの大都市に人口が集中し、地方における人口減少であったり農業従事者の減少があるとのこと。(約20年間で農業従事者が80万人から50万人に減少)
(参照:http://www.maff.go.jp/j/kokusai/renkei/fta_kanren/attach/pdf/kb_chosah28-8.pdf)
また、これまで台湾では「質」より「量」に重きを置いて農産物の生産をしてきたが、今後儲かる農業を目指すためには、「質」を重視した栽培・加工・ブランド作りをしていくことが大切だと。その部分で日本の農業は物づくりへのこだわりが随所にあり非常に参考になったとのことでした。
将来の台湾の農業を担っていく彼らに今回の話が少しでも参考になっていればと思います。
■最後に
研修が終わった後、農家民宿の家主さんが宿泊している各学生を車で迎えにきており、家主の皆さんがとても笑顔でいらっしゃったので、20人とはいえ若い人たちが町にきてくれるだけでとても町が明るく活気付くのだなと、改めて感じました。