わが社のアジア戦略
事業展開にスピード感を
Arinos
コンサルティングやWEB サービスなど豊富なビジネスノウハウとネットワークで課題を解決するArinos(東京都千代田区、古家由也代表取締役)は、アジア新興国における事業展開についてスピード感を重視していると話す。同社はスリランカ、カンボジア、フィリピンで教育、電子商取引、コンサルティングなど様々な事業を展開している。同代表は、「海外に進出する際は特に制約を設けていない。日本にあって途上国にないインフラを構築していくだけだ」と話す。各国で需要が出ている産業や事業に挑戦し、現地での事業展開を通じてさらに現地の需要を汲み取り、新たな事業を展開する戦略を取っている。
カンボジアにおいては進出した形態は飲食業だったという。飲食業を通じて需要を汲み取った物流業を展開し、そして今回、カンボジア現地向けに、化粧品を中心とする電子商取引プラットフォーム「CozmePark」をリリースするに至る。カンボジアの人口構成は34 歳以下の若年層が多く、近年の賃金引き上げに伴い、消費意欲も高まってきている。特に若年層女性によるコスメやファッション分野での需要は高く、ショッピングモールはもちろんのこと、Facebookを通じた売買取引が活発化し始めている。
一方で、商品への不信や決済、物流の不便などの理由で、電子商取引はまだ発展途上にあるという。このなか同社では、「誰もが様々な真正品を簡単・確実に購入できるWebプラットフォーム」を目標とし、顧客獲得を図っていく。
同サービスの特徴は、正規品であること、選択肢の多さ、安全な取引の3点。現地ではメーカー直営店や正規代理店の不足により、並行輸入品(正規代理店以外を通じて輸入された商品)が多く流通していることに対し、真正品のみを提供することで顧客の信頼を勝ち取る。また、国内外問わず様々なブランド、商品を提供する。そして、現地物流会社と提携し、当日または翌日までに配送可能な環境を整備するなど顧客の利便性を向上させるなどし、事業拡大を図る。カンボジア国内の電子商取引に関する制度・環境について同社によると、近年、ASEAN 諸国に比べ相対的に市場成熟度が低いとされるカンボジアにおいて、外資企業やスタートアップ企業の参入により都市部を中心にIT、決済や物流等のインフラや法律( 電子商取引法) が徐々に整備され始めており、EC が現地に受け入れられる日は決して遠くないとの考えを示している。
今後の具体的な事業戦略については、SNS向け動画とアンバサダープログラムを用意しているとした。SNS 向け動画では、コスメ商品の特性や使用方法を直感的に分かりやすく伝えるために、縦型短尺動画やライブ動画に取り組んでいく。数多くの現地著名人が訪れる現地メイクアップアーティスト育成スクール兼サロンと提携をし、誰もが出来るカジュアルな化粧方法を動画で発信していく。また、アンバサダープログラムにおいては、個人がエンパワーメントされつつあるカンボジア文化の中で、現地正社員又はフリーランスの方々と積極的に提携し、アンバサダーとしての副業機会を提供していく。今後、イベント等を通じたコミュニティ形成にも力を入れていく予定だとしている。(18/10/9)
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週報 ASEAN経済通信 第482号
(2018年 10 月9日)
金融ファクシミリ新聞社
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